今日は学校の在宅看護論の授業の一環で、総合脊損センターへ見学に行きました。このセンターは簡単に言うと、身体の背骨の後ろに並んである神経の束…脊髄を交通事故などで損傷してしまった人たちが主に入院されている病院です。脊髄を損傷する部位により身体に現れてくる症状が違います。

脊髄は31対あって頸神経からはじまり、以下胸・腰・仙骨・尾骨神経と続きます。この脊髄が支配している神経により、障害が現れる場所が違うのです。例えば、頸神経には横隔神経が分布していて、この横隔神経は自発呼吸を行なわせる働きを担っています。ここが損傷を受けると自発呼吸が行なえなくなり、人工呼吸器を装着するようになります。*1

 
センター内を見学していて感じたのは、やはり、若い患者様が多いということです。リハ室も20代くらいの患者様がたくさんいました。昨日まで動いていた手や足が一瞬にして自分の意思で動かせなくなる…。誰かに何かしら頼らなければ、依存しなければ身体も動かせなくなる。それがどれほどの思いか…。計り知れないと思います。若ければ若いほど…。でも、このセンターの患者様は皆頑張ってリハビリを受け『治すんだ!!』という意気込みを感じられました。


センター内のトイレも特殊で、ベットの様に広く端に便器が設置してありました。脊髄損傷では排泄の障害も伴うため、排尿・排泄のコントロールもうまくいかなくなります。そのため下剤を服用しますが、服用するといつ排便が起こるのか気づくのが難しいのです。患者様はトイレに1〜2時間ほどいるのは珍しいことではないとお聞きしました。そのため、広い作りのトイレになっているそうです。後は、車椅子への移乗がしやすいように、など。
 
そのほかにも退院してからの生活の訓練をするための部屋や、グランド、などなどとにかく広かったです。また、今回初めて知ったのですが、脊損センターは日本ではここにしかないという事もあり、緊急の場合に備えヘリポートも完備されていました。昨日も患者様がヘリで搬送されてきたそうです。
 今回、はじめて見学に行ったけど、とても勉強になったと思います。脊損患者様がどのような看護を受け、どのように機能回復を図るのか…。見学できてよかったです。


脊損センターHP→http://www.sekisonh.rofuku.go.jp/

*1:自発呼吸を行なうには他にも外・内肋間筋や補助呼吸筋などさまざまな筋群によって行なわれています。詳しくは→http://bunseiri.hp.infoseek.co.jp/kanki.htm